pKa・ミクロ種プラグインで任意のpHのプロトン化状態を調べる
要点:Settings › PluginsからpKa & Microspeciesをインストールし、分子を描いてpKaタブを開きます。スライダーやBlood 7.4などのプリセットでpHを設定します。各酸性基・塩基性基のpKa推定値、主な荷電形、正味の電荷、等電点、pH 0〜14でのすべてのミクロ種のグラフが表示されます。すべてブラウザ内で動作します。
プロトン化状態が重要な理由
ほとんどの医薬品分子は酸性基や塩基性基を持っています。カルボン酸はプロトンを失ってカルボキシラートになり、アミンはプロトンを得てアンモニウムイオンになります。どの形になるかは、溶液のpHと各基のpKaで決まります。
pKaは、ある基の半分がプロトン化され、半分が脱プロトン化されているpHです。pKaから1 pH単位離れるごとに、2つの形の比は10倍変わります。これは一般化学で学ぶヘンダーソン・ハッセルバルヒの関係です。
イオン化可能な基を複数持つ分子は、同時に複数のプロトン化状態で存在できます。これらの状態の1つ1つがミクロ種です。それぞれの割合はpHによって変わります。血液のpH(約7.4)で優勢な形は、溶解性、膜透過のしやすさ、タンパク質への結合に影響します。ドッキングや図に使いたいのも、ふつうはこの形です。プラグインは、描きながらこれらすべてをすばやく推定します。
プラグインで表示される情報
| 構造表示 | pKa sitesは各酸性基・塩基性基に推定値のラベルを付けます。Major at pHは主な荷電形を描きます。 |
|---|---|
| グラフ | pH 0〜14でのすべてのミクロ種の割合。グラフをクリックするとそのpHに移動します。 |
| pHの操作 | スライダー、数値ボックス、プリセット:Stomach 1.5、Skin 5.5、Blood 7.4、pH 9。 |
| 概要 | 主な化学種の割合、選んだpHでの正味の電荷、等電点、マクロpKa値。 |
| タブ | Microspeciesは各形を電荷と割合とともに一覧表示します。Sitesは各基を推定値と自分の値の入力ボックスとともに一覧表示します。Aboutは手法を説明します。 |
pKaプラグインのインストール方法
- MolDrawエディターを開いてサインインします。無料アカウントで十分です。
- Settings(歯車)をクリックし、Pluginsをクリックします。
- pKa & Microspeciesの横のInstallをクリックします。右パネルにpKaタブが表示されます。
キャンバス上の分子を右クリックしてpKa & microspeciesを選ぶこともできます。
特定のpHで主な化学種を見つける方法
- 分子を描きます。キャンバスに複数の分子がある場合は、目的の分子を選択します。
- pKaタブを開きます。Liveにチェックが入っていれば、描画が変わるたびにプラグインが再解析します。そうでなければAnalyse drawingを押します。
- スライダー、値の入力、またはBlood 7.4などのプリセットでpHを設定します。
- 概要を読み取ります:主な化学種、その割合、正味の電荷。
- 構造表示をMajor at pHに切り替えると、電荷の位置がわかります。
- Microspeciesを開いて、他の形と比較します。1つにカーソルを合わせると、グラフ上のその曲線がハイライトされます。
- Insert major speciesを押すと荷電形がキャンバスに追加され、Replace drawingを押すと構造式がそれに置き換わります。
授業や研究室での活用法
- 酸と塩基を教える:グリシンを描きます。教科書の値はカルボン酸が約2.3、アミンが約9.6なので、pH 7.4では双性イオンが優勢になるはずです。プラグインの推定値をそれらの値と比べ、スライダーを動かして各形が優勢になる様子を見せましょう。
- 薬物の吸収:Stomach 1.5を押してからBlood 7.4を押し、弱酸や弱塩基が体内で電荷をどう変えるかを示します。
- ドッキングとモデリングの準備:pH 7.4での主な化学種を挿入し、中性の描画ではなくその形をエクスポートします。電荷の位置を見るには、挿入した形を静電ポテンシャルで色分けしましょう。
- 簡単な計算:緩衝液や比の問題には、プラグインをpKa計算ツールやpH計算ツールと組み合わせて使いましょう。
ヒントと限界
- 構造上のpKaラベルをクリックすると、Sitesの表のその基に移動します。
- 測定したpKaがあれば、Your pKaボックスに入力します。空欄なら推定値のままです。測定値は常に推定値より優先されます。
- 対イオンとともに描いた塩は2つの分子として扱われます。医薬品の部分を選択するか、代わりに中性の親化合物を描いてください。
- pH 0〜14の範囲にイオン化可能な基がない分子の場合、プラグインは中性のままであることを知らせます。
すべての値は推定値です。プラグインは各酸性基・塩基性基を見つけ、その種類の基の測定値から出発し、ハメット式とタフト式で近くの置換基の影響を補正します。約2,000分子のホールドアウトのテストセットでは平均誤差0.92 pKa単位で、71%の値が1単位以内に収まります。一般的な医薬品では平均誤差は約0.45です。一部の環系、互変異性体、アミジン、エノール、C-H酸では2単位以上ずれることがあります。結果は教育、簡単な確認、計画に使い、測定の代わりにはしないでください。
質問と回答
ミクロ種とは何ですか?
ミクロ種とは、分子の特定の1つのプロトン化状態のことで、各酸性基・塩基性基がプロトンを持っているか持っていないかが決まった状態です。イオン化可能な基を複数持つ分子は、同時に複数のミクロ種として存在でき、その割合はpHによって変わります。
pKa値はどのくらい正確ですか?
推定値です。ホールドアウトのテストセットでは平均誤差0.92 pKa単位で、71%の値が1単位以内に収まり、一般的な医薬品では約0.45単位です。珍しい環系や互変異性を持つヘテロ環では、2単位以上ずれることがあります。
プラグインは分子をサーバーに送信しますか?
いいえ。計算はブラウザ内で行われ、サーバーもAIモデルも使いません。
自分で測定したpKa値を使えますか?
はい。Sitesタブを開き、その基のYour pKaボックスに値を入力します。グラフ、概要、主な化学種がすぐに更新されます。